PHASE FREE CONCEPT & GUIDEBOOK for School

応募対象の概要

「フェーズフリー」を学校教育に導入することの意義や目的を言葉のほか図や表でも分かりやすく説明し、学校生活や授業など、あらゆる場面への具体的な採り入れ方について、実践事例やアイデアを紹介するガイドブックである。

フェーズフリーな性質の概要およびアピールポイント

教員がフェーズフリーの考え方を理解し、毎日の学校生活に非常時にも役立つ要素を取り入れることで、学校教育を子どもにとってより「身近なもの」「生活に即したもの」とするとともに、学校生活の全ての場面において、子どもたちの災害対応力を高めることができる。
日常時 日常時
学校生活のあらゆる学習や活動を、主体的に取り組ませることができる。算数の「速さ」の学習では、津波の速さを学ぶことで、自分の50M走の速さと比較して全速力で走っても追いつかれることが具体的にイメージできる。
「速さ」の概念を自分の感覚をもって理解し、必要感を持って学習することができる。など
非常時 非常時
学校生活のあらゆる場面で得た知識や体験が非常時に役に立つ。
算数の「速さ」の学習にフェーズフリーを取り入れることで、「津波は自分より速いから、できるだけ早く逃げないと追いつかれる。」と瞬時に判断できるようになる。など
カテゴリ
D
被害のレベル
05
プロブレムの種類
活用タイミング
汎用性評価
76 /100点
汎用性

教員にとって教えやすく伝えやすい、児童にとって学びやすいことで、教育の質と子供たちの積極性を高めており、「Why」の対応課題で高く評価された。非常時では、「Who」が高く評価され、基礎学力の向上と共に、災害時の対応を身につけることが、このガイドブックに基づいて教育を受けた多くの人々の生涯に渡って役立つ知識や知恵につながると考えられる。汎用性全体として、バランス良く高い評価であったと言える。

有効性評価
84 /100点
有効性

ガイドブックにまとめられたフェーズフリーの考え方に基づく教材コンテンツは、教育効果として、常活性の「日常時QOL」と「非常時QOL」の向上につながっている。これらは、実践的でイメージしやすいものとなっており、子どもたちの積極的な学習を促し、教員にとっても互いに面白い授業コンテンツの制作を目指すモチベーションとなり、教員同士が触発し合うことで、教育する側と学習する側、両方にメリットがあることが普及性の向上にも寄与している。

総評

フェーズフリーという新しい概念を授業に取り入れる工夫は、教員間のコミュニケーションと考え方への理解が欠かせないため、ガイドブックの存在は大きな助けとなるだろう。挙げられている学校生活や各教科の実践事例は、制作者1人1人の試行錯誤による成果であり、制作プロセスを含め、自治体が取り組むフェーズフリーの先進的な取り組みとして各地への普及が期待される。「有効性」への高い評価は、一般的な教育・防災教育における現状の課題に対して、1つの解決策を示していると言える。

http://総評
受賞者コメント
本市ではフェーズフリーの概念を学校教育の中に取り入れることで、子ども・教職員の防災意識を高められるとともに、日常の教育そのものの質を高めていけるのではという視点にたち、取組を進めてきました。本冊子は「フェーズフリー」を学校教育に導入することの意義や目的を言葉のほか図や表でも分かりやすく説明し、学校生活や授業など、あらゆる場面への具体的な取り入れ方について、実践事例やアイデアを紹介するガイドブックです。鳴門市内全教職員に配布することで教育現場に「学校のフェーズフリー」の理解と浸透を図っています。
鳴門市教育委員会
受賞者プロフィール
鳴門市教育委員会