「通り庭」のある職住一体型二世帯住宅の提案である。住宅を貫く「通り庭」が、日常時でも非常時でも変わらずに、光や風や緑といった自然環境資源を享受して快適性・開放性の向上を図るとともに、内と外が入れ替わる「通り庭」という新たな関係性を創出することで、多様で豊かな暮らしを実現できる計画としている。

日常時でも非常時でも変わらない“光や風や緑といった自然環境資源”と“内と外という関係性の変化”を、「通り庭」という空間を通して活用することによって暮らしを豊かにするとともに、日常時と非常時の暮らしの変化を少なくしてストレスを低減させる。さらに、パッシブな計画を中心とするとこで、省エネになるだけでなく停電時においても有効なものとしている。また、住宅を貫く吹抜け空間である「通り庭」の空間自体が、通風や上昇気流を活用した熱波災害対策（夏季停電時を含む）、構造コアや水平構面の適切な配置による地震災害対策、「土間」や「縁側」という設えによる洪水災害の浸水復旧対策といった災害対策の役割も果たしている。