地域主体の参加型料理教室支援パッケージ「ふれあいの赤いエプロンプロジェクト」

応募対象の概要

地域主催の参加型料理教室支援パッケージ ①東日本大震災の復興応援事業として、岩手・宮城・福島3県51市町村で地域に根差す組織と連携して8年半、のべ3,771回開催しノウハウ・知見を蓄積 ②①とエビデンスをベースに、各個人の食と栄養リテラシーの向上、孤立防止や地域コミュニティの活性化に繋げるべく平時へ事業展開

フェーズフリーな性質の概要およびアピールポイント

私達の体は毎日食べたものの積み重ねで出来ている。栄養バランス良く食べて整えた健康な心と体は防災における大事な資本である。また、人と人が有機的に繋がり、活性化されている地域コミュニティも、防災にとって大事なベースとなる。つまり、健康な心と体はフェーズフリーな心と体であり、活性化されている地域コミュニティはフェーズフリーな社会の基本単位の一つである。しかし、健康な食事や、地域コミュニティを活性化させる活動を続けることの難易度は高い。このパッケージは東北の復興応援事業の学びを活かしたエビデンスベースの内容で、フェーズフリーな心と体づくり、フェーズフリーな地域コミュニティづくりを支援する事業である。
日常時 日常時
①地域の支援者が住民を対象に料理教室を開催、美味しく楽しく活動を継続(当組織はコンテンツやツール提供、スタッフ向け研修などで後方支援) ②①により、個人レベルでは食と栄養のリテラシー向上、健康な心と体作り、孤立防止やソーシャルキャピタルの向上に繋がる ③①により、地域ではコミュニティの活性化に繋がる
非常時 非常時
①個人レベル:平時に培った健康な心と体で要支援者になるリスク減少、減災に繋がる ②地域レベル:平時に培った人と人の繋がり、コミュニティのお蔭で互助・共助の可能性が高まる ③平時に培った食と栄養のリテラシー、集団調理や安全衛生管理スキル、調理器具等を活かし、栄養バランスの良い炊き出しを行うことも可能
カテゴリ
B
被害のレベル
03
プロブレムの種類
活用タイミング
汎用性評価
62 /100点
汎用性

地域密着型の料理教室として、コンテンツやツールを提供することで、日常時の「Why」対応課題と非常時の「Why」対応ハザードを広げ、人と人を有機的に繋ぐことができ、日常時・非常時双方の「Who」の高めている。運営する主催者のマネジメントや、プログラムの構築、持続可能な仕組みとして、更にノウハウを蓄積する事で、場所「Where」や時間「When」についての汎用性向上も期待したい。

有効性評価
68 /100点
有効性

日常から地域の住民同士が「食」によってコミュニケーションをはかり、調理や健康管理について協力する事で、「日常時QOL」と「非常時QOL」を高めている。提供するプログラムに加え、前提となる支援者の協力やスタッフ向けの研修など、地道な活動の積み重ねが、8年半で3,771回の開催を持続させている実績が、「入手容易」「価値共有」の評価につながっている。

総評

日常の地道な活動が持続可能なコミュニティを作り、非常時のQOLを維持する助けとなる「食」を通じた支援事業である。コンテンツやツール提供により継続した活動を続け、個人の食と栄養のリテラシー向上、健康な心と体作り、孤立防止やソーシャルキャピタルの向上、地域コミュニティの活性化などを推し進めている。日常時に培った食と栄養、心と体の健康に対する意識が、非常時には、コミュニティでの互助・共助、安全衛生管理や栄養バランスを考慮した炊き出しにもつながる。

http://総評
受賞者コメント
本プロジェクトの主な参加者は高齢者です。東北で連携をさせて頂いた地域に根差す支援者のご評価では「本プロジェクトを受け入れて良かった点」として、主に以下4点が挙がりました。①住民同士の交流が深まり仲間ができた ②食や栄養への関心が高まった ③閉じこもりがちな住民が参加した ④参加者が笑顔に、前向きになった・・・それならば、高齢者の孤独や孤食、地域コミュニティの繋がりの希薄化等の日常時の課題にも貢献出来る、そして、健康な心と体・活性化された地域コミュニティは次の災害の備えにもなるはずだと考えました。
公益財団法人 味の素ファンデーション
受賞者プロフィール
公益財団法人 味の素ファンデーション